言葉は誰の物

2006年10月21日
 盗作という言葉は知っていたけれど、初めて「盗作されたのです」という言い方を聞いたのは高校1年生のときだった。 兼部していた私は文化祭は大忙し。半年だけ在籍した文芸部の展示部屋の留守番担当時間、見知らぬ女子が明るい日差しで光いっぱいの2階のその部屋に入ってくるなり私の肩を掴んで低い声で言った。
 「S・H子というひとはどこにいますか?」
 私はただただびっくりして「あなたはどなたですか?」
 「盗作されたのです」 
 展示物の説明にあたっていた先輩が近寄ってきた。 
 「何か?」 
 
 自分の詩を盗作されたとその女子は言った。 凡庸な詩の陳腐なフレーズだった。
 先輩は本人を呼ばずけりをつけた。  「とてもきれいなフレーズだけど、もしかしたら誰でも浮かぶ言葉じゃないのかな。よかったら文芸部に入りませんか?ひとりで書いてないで。」というようなことを話したとのこと。 
 その女子は入部せず、平凡な女子だったので校内で会っても私は気付かず、忘れた。 
 S・H子は後で聞いて「ふーん。気をつけようっと。」と言っただけ。
  

    ♪ 
 かつて、「今に全ての旋律が出尽くして新しい音楽は生まれなくなるのではないか?」と杞憂に苛まれた音楽家がいたという。 
 
 
 
 言葉は誰の物? 
 物語の中の台詞やテーマは、作者の長く温めてきた生きるテーマだったり人生の澪つくしだったりする。宝だ。 
 でも、その組み合わせは本当にオリジナルなのか?初めて自分の口や筆から発せられたものなのか? 
 言葉は素敵だ。 
 様々な表現方法を持つ。
 活字で、
 ロゴで、 
 ラベルで、 
 朗読で、
 点字で、
 音楽に乗せて、
 。。。
 言葉の持つ力には敬服する。
 永遠の命を持つ。
 
 だから、そうして生まれた珠玉の言葉は、誰のものでもないよね。 
 
 
 
 マッキー 。。。。。
 
 
   。。。。。

  

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